さくら、ふくふく。

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「ミスルとミズコのところにびんぼうがみが生まれたらしいぞ」 「ほんとうか?」 「かわいそうに。やまのかみとうみのかみのあいだにびんぼうがみなどが生まれるとは」 古いかみさまたちは、ヒルコとヒルコのお父さん、お母さんをかわいそうにおもい、生まれたばかりのおさないかみさまたちはヒルコをかげで笑いました。 「お父さん、お母さん。どうして私はびんぼうがみなんかに生まれてきたの?こんな嫌われやく、やだよ」 「どうしてびんぼうがみなのかは、蒼天様にしかわからないことだ。びんぼうがみは、人間にお金が入らなかったり、お金が出ていくようにしたりするかみさまのことだ。何、人間はお金がなくて泣くような生き物ではないよ。どんなことがあっても、泣かせるようなことはしないようにしなさい。そうすれば、嫌われることはないから、心配しないで大丈夫だ」 「どうして蒼天様はめでたいなんておっしゃったの?ぜんぜんめでたくなんかないよ!」 「びんぼうがみは、人間に心の豊かさを学ばせるためにいるんだよ。りっぱなやくめじゃないか。だからめでたいんだよ。私たちも、お前がむすめでほこらしいきもちでいっぱいだよ。さあ、初しごとだ。どこか人間の家を一つえらんで入り込みなさい。はじめてだから、姿がみえる人間のところにいくのがいいかもしれない。あの、桜の木のしたに立って、はなしかけてきた人間の家にいくといい」
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