0人が本棚に入れています
本棚に追加
僅かな出っぱりを掴んでいた手は
簡単に生すらも手放した。
一瞬、時が止まった気がした。
浮遊感と焦り。
恐怖は増していく。
どれくらい痛いのか、
わからなくて怖い。
でも下から吹き上げる風は
私を歓迎しているようだった。
ぐんぐんと近づく地面。
ああ、案外すぐだな。
3秒も経たずにわたしは、わたしは。
ぐしゃりと気持ち悪い音をたてて、
地面についた。
想像した通り、
激痛に安堵すら感じで
上から私の名前が叫ばれてるのを
薄れていく意識で聞いていた。
最初のコメントを投稿しよう!