人魚のシーとスカイ

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ここは、羽をもつ人魚、エンジェルマーメイドたちが暮らす海の都の一つ、エラルドブルー。 その北のはずれにあるお家に、シーは、お父さんお母さんと一緒に暮らしています。 「行ってきます!」 今日は、小学校の登校日です。 シーには悩みがありました。 「片羽シー、片羽シー!悔しかったら羽生やしてみせろー」 左の羽が生まれつきないことです。 「もう、腹が立つ!私だって、好きで片羽に生まれたわけじゃない!」 シーは、からかう同級生を威嚇するようにじろりとにらみつけて先を急ごうとしますが、そこに新たな人影が現れます。 「片羽なのを自分が一番馬鹿にしているから、皆の言葉に腹が立つんだ」 見慣れない顔の男の子が後ろでつぶやくように言いました。 (見ない顔だわ。) 「何よ!あんた、だれよ!?」 シーがそう言う間もなく男の子はスイーと小学校の方へ去っていきました。 「羽のあるあんたには分からないわよ!」 シーは男の子の背中にむかって叫びました。
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