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この周囲で最も大きい駅の近くにある、バスターミナルが備わったビル。 そのビルの5階。 そこにあるのは小説を始め、ファッション雑誌や経済誌、そして児童文学まで備わった大きな書店。 その書店で俺、三浦雅也は働いている。 「20円のお返しと、こちら商品でございます。ありがとうございました、またお越し下さいませ」 レジ前で会計を済ませたお客さんをお辞儀と挨拶で見送る。 ここで働き始めてからトータルで何万人ものお客さんを対応してきただろうか? いや、何十万人というレベルかもしれない。 ふと、永遠に答えなど出るはずのない疑問が浮かんでしまった。 ただ確かなのは、これからもこうしてお客さんにお会計の済ませた本を渡し、トータルは何百万人というレベルになるということだけだ。
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