◇3

13/14
2741人が本棚に入れています
本棚に追加
/342ページ
ザーザーとやかましく降ってくる雨を見て、俺は深いため息をつく。 明日は休み。 なのにこんなにもブルーな気持ちで休日を迎えなきゃいけないのか…。 告白する気持ちなんて失せた。 あの光景こそが、結果のようなものだから。 しまいにはゲリラ豪雨まで降りだす始末。 そういえば今朝急いでてまともに天気予報なんて見てなかったな…と、ふと思い出した。 この様子だとしばらく降り続けるだろう。 今頃になって天気予報を見なかったこと、折り畳み傘を持ってこなかったことに後悔しつつも、俺はふと後ろを振り返った。 地下へと続く階段。 その横にはバーと思われる看板が立てかけてあった。 "Bar Cobalt(コバルト)" 真っ青な背景色に、白色でそう書かれていた。
/342ページ

最初のコメントを投稿しよう!