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大学4年生。
本格的な就活に入る頃、俺はいつものようにバイトをし、上がろうとした時だった。
「三浦くん、ちょっといいかな?」
30代半ば、眼鏡をかけた店長が俺に声をかけてきた。
え……俺悪いことしちゃったかな…?
そう思ったのは店長の顔が幾分真剣だったから。
嫌な予感はしたけれど、この後は家に帰るだけだし、ノーとは言えない。
俺はおとなしく『大丈夫です』と答えるしかなかった。
が、この後の店長の発言に、俺の予感は見事に裏切られる。
「三浦くん、正社員になってみないか?」
さっきの真剣な表情はなんだったんだろう?
俺の目に映る店長の顔は穏やかそのものだ。
「え…」
店長のその穏やかな表情、そして予想外な誘いに、俺は開いた口が塞がらなかった。
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