桜の下のア・ラ・カルト

はじめに

やぁやぁそこの君、今時間あるかい？

そうそう、君だよ君。ちょっとこっちに来てくれ。

良ければ、僕の話を聞いてくれないかな。もちろん無理にとは言わないんだが。

え？何の話をするのかって？

う～ん………何て言えば良いんだろう……体験談………とはまた少し違うかなぁ……

まぁ、あまり退屈はさせないよ。それは約束する……………だから無言で離れようとするのは辞めてくれないかな。結構ショックだよ離れられると。

なら『話を聞いてくれ』って素直に言えって？…………………おっしゃるとおりだ。

でも、つまり君はここで僕の話を聞いてくれるって思っていいのかな？そう思っちゃうよ？

え？前置きは良いから何の話か教えろって？

いやいや、こういう前置きはすごく大事で……………すみません、特に大事じゃないです。だからそんな怖い目しないで。

やれやれ、本当に前置きが長くなっちゃったね。早くしないと日が暮れる。

それじゃあ君に教えよう。僕は仕事柄、色んな人の、いわゆる『告白』って場面をたくさん見てきたんだけどね、今回は教えるのはその一つ。

今でも鮮明に思い出せる、印象的な告白だ。