新たな日常の幕開けです。

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〈爽〉 どうも皆さんこんにちは。主人公の柳 爽です。 1ヶ月以上あった夏休みも終わり、今日から新学期です。 初めて夏休みというものを経験した俺ですが、散々な目に合って色んな人にもみくちゃにされて満喫できるはずもなく、泣く泣く今日を迎えました。 学園に帰ってから夏休み最終日まで何をしていたかと言いますと、宿題を片付けて学友達とともに術の練習に励んでおりました。 ひたすら。ひたっすら練習してました。 ………… ……………… 「戻ってこい俺の夏休みぃぃぃぃ!!!」 ふざけんなこの野郎!! サクッと宿題終わらせてさぁ遊ぼうぜってなったのに学園にいた普通科の生徒達が俺のもとに来て「術の練習に付き合って下さい!」と揃いも揃って頭下げてきて断れなくて、その日だけならいいかと思って高築と白石も交えて術の練習したんだけど、俺一度も自分の練習してないんだよね。 皆の力の流れを見てどういった系統の術が得意でどんな練習方法が最適かを教えて回って、それを聞き付けた他の普通科生徒が体育館に来て「俺(私)にも教えて!」と懇願されてそれも断れなくて、高築の馬鹿を見る目と白石の呆れた眼差しに板挟みになりつつも結局皆を指導してた。 ちなみに最初俺にお願いしてきた人達のほとんどが以前体育館で練習を見てあげた人達だった。その人達のおかげで俺は指導役に大抜擢されてしまい、人伝に聞いたのかわざわざ帰省してた生徒まで学園に戻ってきて俺に懇願する始末。 しかもそのうえ仕事終わりの南雲をはじめとする霊能科の知り合いも加わり、体育館は異様に賑やかだった。俺の指導なら南雲はきっと来るかなと思ってたし、イオリちゃんは前に一緒に術の練習したいって言ってたからまだ分かる。けどまさか奥ヶ咲まで俺に練習見てほしいって言うとは思わなかったわ。 頼ってくれるのは非常に嬉しいが俺も自分の練習させてほしかったな。
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