お断り

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「お、おお」  なんとなくオレはぽーっとして、女神さまの言うとおりピアノに向かった。  え? どゆこと?  なんということでしょう。  そのスニーカーはオレの足にピッタリで、ペダルの微妙なコントロールが自在に使えるのです。  うわお。すげえ。 「お兄さん、うれしい?」 「うん。なにこれ」 「スニーカーだよ。これでお兄さんは優勝できるねっ」 「うん。この靴さえあれば、デキルデキル。これならできる。だってオレは天才だもの!」 「じゃあ約束だよー」  女神さまは、頑張ってね!と手を振りながら、練習室を出て行った。  はて? 約束ってなんだっけ。  まあいいか。オレはスニーカーを履いて、その場で飛び跳ねた。  よし。決戦だ。これで負ける気はしないぞ。
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