桜の木

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『着いて来るな!』 『貧乏が移るだろ!』 『父ちゃん、借金してるんだって?』 『そんなだから髪も切れねーんだよな!』 『よく学校来れるよなー!』 こうなる度にさ。 夏兎はウチの事庇ってくれて。 『お前ら、一人をイジめるなんて卑怯だぞ!』 『おー、お前コイツの事好きなのか?』 『ヒューヒュー♪』 でも、男子は堪えなくて。 独りだと思ってた。 お前が現れるまでは。 『あの………ありがとう。』 『つーかさ、お前…一言くらい言い返せよな。』 『だって…』 『アイツら、ちょーしのるぞ。』 そう言ってポケットに手ぇ突っ込みながら言うお前。 膨れっ面で、視線そらしてる。 だが…ウチはそれがただの照れ隠しだって事くれぇ分かってっよ。
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