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サァァ…
ウチは池田ケイ。
「もー、ケイったらまた外眺めて!そんなに空が好きなの?」
窓際に頬杖突きながら、あの日を思い出してると話しかけてくるヤツがいる。
コイツはウチの親友、橋本桜。
去年の11月後半に転校してきた。
「ちげーよ。」
「ケイは桜を見てんだ。」
「えっ?どこに桜なんかあるの?」
ミーアキャットのようにキョロキョロする桜。
ここにはねぇ、桜だよ。
学校の帰り道、街路樹では桜が綺麗に咲き誇ってる。
桜達と別れて、数分…ウチは当たり前の光景の中を一人歩いてた。
夏兎は係があるからとか何とか。
一つの桜の木の前で立ち止まる。
街路樹を抜けてウチの家まで後一歩と言うとこで。
これは、亡くなった母ちゃんとよく花見に来たとこだ。
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