桜の木

3/6
前へ
/6ページ
次へ
サァァ… ウチは池田ケイ。 「もー、ケイったらまた外眺めて!そんなに空が好きなの?」 窓際に頬杖突きながら、あの日を思い出してると話しかけてくるヤツがいる。 コイツはウチの親友、橋本桜。 去年の11月後半に転校してきた。 「ちげーよ。」 「ケイは桜を見てんだ。」 「えっ?どこに桜なんかあるの?」 ミーアキャットのようにキョロキョロする桜。 ここにはねぇ、桜だよ。 学校の帰り道、街路樹では桜が綺麗に咲き誇ってる。 桜達と別れて、数分…ウチは当たり前の光景の中を一人歩いてた。 夏兎は係があるからとか何とか。 一つの桜の木の前で立ち止まる。 街路樹を抜けてウチの家まで後一歩と言うとこで。 これは、亡くなった母ちゃんとよく花見に来たとこだ。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加