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“止めて”
そのたった一言が言えなくて。
「ちょっと来な。」
ウチは腕を捕まれて連れてかれそうになった。
もがいてみるも数人相手にそれは虚しく。
思わず、夏兎に助けを求めようとした。
その時…
ザァァッ…!
風が吹いてねぇハズなのに、桜の木は激しく揺れた。
“その子から離れて!”
声が聞こえた気がした。
更に…その直後…
「きゃぁぁっ!何これ!」
「ケホッ…ケホッ…うぇーっ…花びら口に入った…」
なんと、女子達の頭上に桜の花が大量に降ってきたんだ。
今は二月。桜の花が咲くにはまだちと先だが…
大量の花びらとそれ以外の木の枝や葉っぱを一度に被った女子達は“もう良い!”と言いながら去って行った。
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