第1章

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☆星解少女☆ ほしよみしょうじょ☆          神空寿海 冬のない国、石の家の頃、遠くに炬の明かりが見える平原、 もうじき十六になる星と云う名の少女が、滝のような星空を仰いで立っていた。 星は、水しぶきのように落ちる流れ星の全てを血で感じ取り、交信を交わしていた。 突然、その夜空に、瞬時にしてもう一つの満月が現れた。 星はそれを予知し、何の違和感もなく受け入れていた。 星には初めて見る、不思議な色の髪の毛、肌の白さ、そして不思議な色に光る目だった。         (僕を呼んだのは、君だね。) (私の血に答えてくれる星を、捜していました。星座に誘われて、流星の助けを借りて 宇宙に尋ねると、貴方が見えました。) 星と少年の会話に、言葉は無かった。 (そう、僕だけには、君の血の流れがわかる。君の意識も理解できる。どうしてなの か、僕と同じはずの仲問も、答えを出せないでいる。) (それ以上は星座にも、私にも分からない、星のつながり。 私にとって、貴方は一番大きな意味を持つ星。) (君のその血の騒ぎは、何なのか?) (これは、私が生まれ持ってしまった、変えようの無い、血の力・・・)
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