第1章

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「占い?僕達も占ってよ。」 カップルの男の方が声を掛けた。月子は胸を撫で降ろした。 「いいですよ。二人の生年月日を、教えて下さい。」 月子は途中の配列を崩し、やり慣れた友達を占う配置に石を並べた。 「付き合い始めて、2ヶ月くらいですね。」 「それくらいよね。」 「当ってる…。」 カップルは顔を見合わせた。 「二人の相性はいいようです。正式な結婚は遅目にして、恋人同士を長く楽しんだ方 が、末長く幸せになれると出ています。女性の方は結婚後も、子供が出来るまでは、 仕事を続けた方がいいようです。今月中は屋外のデートより、室内で過ごした方が、 来月からの楽しみが膨らむと、出ています。」 「そう、そうするよ…。見料は?」 「いらないですよ。趣味でやっているだけですから。」 「ありがとう。」 月子のあまりに説得力のある口調に、言葉を詰まらせ、カップルは公園を抜けていった。 月子は胸の奥をひりひりさせながら、慌てて石の配列を戻して、星座に合わせた。 (どういう事かしら、もう少しで掴めそうなんだけど。) 「星座と同じ配置だね。」 また不意に、後ろから声がした。天体望遠鏡を背中にしょった、同じ年位の圭介だった。
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