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「占い?僕達も占ってよ。」
カップルの男の方が声を掛けた。月子は胸を撫で降ろした。
「いいですよ。二人の生年月日を、教えて下さい。」
月子は途中の配列を崩し、やり慣れた友達を占う配置に石を並べた。
「付き合い始めて、2ヶ月くらいですね。」
「それくらいよね。」
「当ってる…。」
カップルは顔を見合わせた。
「二人の相性はいいようです。正式な結婚は遅目にして、恋人同士を長く楽しんだ方
が、末長く幸せになれると出ています。女性の方は結婚後も、子供が出来るまでは、
仕事を続けた方がいいようです。今月中は屋外のデートより、室内で過ごした方が、
来月からの楽しみが膨らむと、出ています。」
「そう、そうするよ…。見料は?」
「いらないですよ。趣味でやっているだけですから。」
「ありがとう。」
月子のあまりに説得力のある口調に、言葉を詰まらせ、カップルは公園を抜けていった。
月子は胸の奥をひりひりさせながら、慌てて石の配列を戻して、星座に合わせた。
(どういう事かしら、もう少しで掴めそうなんだけど。)
「星座と同じ配置だね。」
また不意に、後ろから声がした。天体望遠鏡を背中にしょった、同じ年位の圭介だった。
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