1. 兆し

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「睦月」 「んー!?」  いつの間にか背後に佇んでいた柾貴に軽く驚いた。  が、振り返らないまま「間に合わねーかも」と必死の形相でローファーに足を突っ込む。 「……いや。気をつけてな」 「? うん……って、やっべ……! 行ってきまーすっ」  だが確かに、この日は何かが違っていた。  それが何であるかは、その時はとうてい知り得るはずもなかったのだけれど。
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