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「――桜井。……桜井! 起きろ桜井哲哉!」
バゴッ!
最後の怒声とともに頭部に打ち下ろされた一撃が、否応なしに意識を現実へと引き戻す。
効果的な目覚ましとなった超絶ハード仕様の出席簿をぼんやりと見上げ、哲哉は唸りながらゆっくりと瞬きを繰り返した。
「……っでー……」
クスクスと笑う同級生たちの声をBGMに、心なしか頬を引き攣らせた現国担当教師が仁王立ちで見下ろしてきている。
そうか、そういや授業中か、と悪びれなく大欠伸をかましてしまい、二度目の攻撃を食らう。
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