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頬杖をついたまま、すぐ前の席に座す睦月とその隣の洋海のやり取りに目線を投じる。
「そ。エントリーしようよっ。睦月こういうのって初めてじゃないかな、って」
いつぞやの応酬を彷彿とさせるようなくだり。
デジャヴか? いや、確かにあったわこんな場面……となんとなく重い頭を抱えたまま、哲哉は目の前の二人から視線を外し、あらためてぐるりと周囲を見渡した。
学園祭を一ヶ月後に控えたとある自習時間、クラスの出し物決めをしようと実行委員の男女が教室前方に出て声を張り上げ始めたところまでは憶えている。
個人的に意識をすっ飛ばしている間に、だいぶ意見が出揃っていたようだ。
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