1.大谷睦月とは

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「や……やーん、センセってば嬉しくないみたーい」 「当たり前だーーー! なんで俺がおまえのような生徒を受け持たねばならんのだー!?」  とたんに丸太のようなゴツイ両腕で担任が首を絞め上げ始めた。 「ぐげげ……教師がそんなコト言っていいのかーっ?」 「教師だって人間なんだぞー! よく寝る生徒より寝ない生徒の方がいいし、屁理屈こねるヤツより真面目なヤツの方がいいに決まってるだろー!」 「きゃーあ、センセぇ、アタシを捨てないでェ」 「まだ言うかー!?」 「ゲーーーッ、マジで絞めるなーーーっ!」  4月9日。  私立宮園高校、三時限目。  1年2組は大爆笑の渦の中で、幕を閉じた。
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