1.大谷睦月とは

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「ゲホ……っきしょー……マジだったぞありゃ」  おもいきり顔をしかめて哲哉は絞められた首周りをさすった。  未だ興奮の冷めやらぬクラスメイトのほとんどが、廊下側最後列を振り返っては笑い声をこぼしている。 「ぎゃははは、大丈夫かよおめー?」 「入学早々、担任に泣かれながらシメられるなんてオイシイ奴だなー」  気さくな笑顔で近寄ってきた三人組は、二日目あたりから会話を交わすようになった男子生徒たち。 「やー、それ程でも」 「いや褒めてねーから」  またしてもその場が小さく沸いた。
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