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「ひどいわっ、洋海ちゃんもワタシを捨てるのねっ」
「そろそろそーしなきゃなー、とは思ってたしね」
ひーどーいー、と大げさに泣き崩れて机に突っ伏す哲哉と隣の女子生徒を見比べて、男生徒たちが口を開く。
「何? 中学一緒だった、とか?」
「ずいぶん親しげじゃん」
「ん? あー、まぁ中学どころか小学校、幼稚園もぶっ通した仲だから。おまけに家もめちゃ近」
机に突っ伏したまま、頭の上にひらひらと掌をかざした。
「佐藤洋海です。ヨロシク」
人懐こい笑顔で女生徒が首を傾げる。
肩の上で切り揃えられた、まっさらなストレートが静かに揺れた。
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