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「こぉーくんおかえりぃ~」
いつもへらへらしている会計様だが、
こんなに顔が本気で緩んでいる会計様は見たことがない。
「うふ、ただいま、遼ちゃん?
あら、ちょっと痩せたんじゃない?
ダメよ!遼ちゃんただでさえ細いんだから!」
そんなことよりも。
誰もが皆、こんな大人でイケメンな理事長が
オネェ言葉であることを
理解することが出来ないでいる。
「...気持ち悪いぞ、お前!
そういう言葉使いしないほうが絶対カッコいい!
」
唯一、諦めの悪いマリモが言葉を発する。
「なんなの?失礼しちゃうわ!
頭にゴミ被ってるアンタに言われたくないわ!」
「お、俺は変装だっ!ホラッ!
見ろよ!俺のほうが可愛いだろっ!!」
あわてて変装をといたマリモは
金髪、碧眼で西洋の女の子のようだ。
まあ確かに可愛いが中身はマリモに違いない。
「あら、性格ブスが余計際立ってるわよ?
顔がよくてもねぇ、まあそこにはべらかせてる子たちも同じようなものだからお似合いよねぇ」
ふふんとズバリと言いのける黒い微笑に寒気がする。
「私たちが性格悪いとおっしゃるのですか!」
まるで王子様のような顔を怒りに染めた副会長が叫ぶ
「あ~ら?副会長ともあろうものが仕事もせず、ましてやそのゴミと毎日SMごっこして遊んで、親衛隊に指示して遼ちゃんや他生徒に嫌がらせしてることなんて証拠にあがってるわよ?
ちゃ~んとお母様に報告しといたから☆」
その証拠という写真は完全に18禁だ。
副会長はその写真に顔を真っ青にしている。
「テメェ!俺の澪に手を出しやがったな!?」
会長は副会長の胸ぐらを掴み今にも殺しそうな目で睨んでいる。
「澪、俺の。かいちょの、ちがう!」
喋るのが苦手なはずだが、珍しく書記は声を荒げているではないか。
そして、いいや俺の恋人だと爽やかスポーツ特待生は主張し、まわりの信者が次々に主張し始めた。
「うふふ、」
言い争う姿にうっそりと笑う理事長。
そして、なにか閃いたと会計様の頭に電球がつき、かの集団を指差して言ったのだ。
「穴兄弟?」
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