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「....っぅぐっ!?」
不意に空気が揺れて会長様は勢いよく
地面に倒れこんだ。
「なっ、なんだよ晃一(コウイチ)!大丈夫かっ!!
春!!なんてことするんだっ!!」
「...っなんだっっ!?コレ!!
...圧力がっ、く...苦しぃっ!!!」
会長様は地面に倒れたまま苦しそうにもがいている。
俺がしたわけではない。
「ニンゲン風情が、誰のモノに触っている」
俺は漆黒に包まれる。
拒むことは出来ない。
圧倒的な威圧感を放つ美形が俺の後ろにいる。
真っ白な肌とは対なる黒く長く美しい髪をなびかせているのだろう。
「なんだっっ!?お前!!すごいカッコいいな!!
名前はなんて言うんだ?俺は茉莉っていうんda、namaede...???」
「耳障りだ。春、なぜ電話にでなかった。
なぜ還りを使った。ちゃんと答えられるな?」
この赤色の眼に捕らえられると
何も抗えなくなる。愛しい色だ。
俺は頷き、彼の唇に口付けた。
「~~~~!!?.~.!!yokunaiぞ!!
俺のモノにキスするなんてサイテーだぞっ!!!」
静かになっていたのに、すぐにまた煩くなる。
口封じの魔法をかけられたのに自力で解いてしまったようだ。
はたから見たらキスだがただ記憶を移しただけだ。
「煩いサルだ。口封じを欲で解くとは。
しかも電話を邪魔したのはこのサルか。
口破ぜでもしてやろうか?」
「馬鹿な!口破ぜは禁術ですよ!!
アナタは何者ですか!」
口封じは軽い金縛りみたいなものだけど
口破ぜは最も惨い黙らせ方で禁術となっている。
声帯から口全体が花火が入ったように激しく燃えさかる魔法だ。
「禁術など、ニンゲンが決めニンゲンが守るものだ。魔物には関係ない。
俺は春の使い魔の魔王だが?夫でもあるしなぁ?春?」
「使い魔って感じしないんだけど。むしろ
俺が使い人っぽいよね。ただ禁術は主人の責任になるんだからやめて欲しいかな。」
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