駄犬は再教育しましょう。

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「翔(カケル)!好き嫌いはしちゃダメなんだぞっ!!ほらっ!俺と一緒のオムライス食えよっ!!」 誰もオムライス食べたいとか言ってないのに おそろいのがいいとかワケわからない決めつけで注文された。 「....あの、俺は卵アレルギーだから食べられないって....」 さっきからそう言っているのに お前はアレルギーという言葉を知らんのか。 「薫(カオル)の優しさを無下にするとは何様なんですか。この平凡が、さっさと食べなさい!」 いや、副会長様もアレルギー知らなかったとは 驚いたよ。でも、困るなぁ。 食べたら戻しちゃうから食堂のスタッフに迷惑かけちゃうし。 「煩わせるなカスが」 おどおどしていた俺を会長様が蹴る。 机の下で行われていることなので誰にもわからない。ああ、なんでこんなことになったのか...。 そう思ったときだった。 「何してるんですか。」 無理やりオムライスが口に入れられそうなところを誰かに引っ張られ助かった。 ふと、見上げた人物は俺にも見覚えのない平凡(俺もだけど)なひとだった。 「なんだよっ!お前!邪魔すんなよっ!! 俺は翔の好き嫌いをなおしてやってるんだぞ!」 「彼はアレルギーだと言ってるではないですか。」 おお、なんとまともな人が助けてくれた。 今まで誰も助けてくれなかったのに! 「そんなことコイツが嘘をいって薫を困らせているのですよ。そもそも君は誰ですか!」 いや、誰が嘘ついたんだよ。 本当だったらどうすんだお前。 「アレルギーをご存知なのに、その恐ろしさを分かっていないとは....。こんなところで食事をすると命の危険ですね、さあ僕と一緒にここを離れましょう。」 なんて神!! 無表情だった彼が俺に小さく微笑む姿にトキメくじゃないか。ぜひ、お名前を! 「あの、あなたの名前は....」 「ああ、はじめまして井ノ瀬 藤馬(イノセ トウマ)と申します。半年間留学していて今日から登校しているのですよ。」 ああ!地獄な日々に神が舞い降りたのか。 行きましょうと手を差しのべる藤馬くんに 俺は涙が滲んみながらその手をとった。
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