駄犬は再教育しましょう。

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「おいっ!待てよ!」 勢いよく立ち上がったせいで椅子は倒れてしまい大きな音をたてた。 しかし、この声は薫の声ではない。 だとしたら誰が俺を止めるのだろうかと振り返るとそれは会長様だった。 「なんでしょうか。」 藤馬くんも立ち止まり会長様に無表情で振り返る。 藤馬くんの問いかけに会長様は眉を寄せて何も答えない。 「言わないとわからないよ?用がないなら失礼します。」 あれ、敬語が抜けた....? そう思ったが藤馬くんは全く表情は変わっていない。 「淳(アツシ)!アイツを止めろよっ!!翔が連れてかれちゃうだろっ!!!」 薫は会長様にすり寄り喚きだした。 しかし、会長様は俯いたまま動かない。 今のうちに移動したいと思い藤馬くんを見上げると彼は目を細めて会長様を見ていた。 そして、もとの無表情に戻り歩きだした。 俺はそれについていく。 「ああっ!!なんだよ!淳がやらないから行っちゃうじゃんかっ!!もういい!俺がアイツ止めるっ!!」 そう叫んだ声がして走ってくる音が聞こえる。 慌てて振りかえり、殴りかかってくる姿が目にはいる。ヤバイと思って藤馬くんを慌てて庇った。 「やめろっ!!!」 藤馬くんを抱きすくめて庇ったが 予想していた衝撃は来ず薫の方を見た。 「....か、会長様...?」 会長様は薫を殴り飛ばしていた。 なぜ、薫を殴ったんだ...?会長様は薫が好きなんじゃ...? 「あ....淳が殴ったぁぁ...っ、うぅぇぇんっ!」 会長様に殴られた薫はわなわなと震えて泣き出した。 「アナタ何してるんですか!? 薫、大丈夫ですか!?」 取り巻きの皆が薫を囲みあやしだす。 しかし、会長様は薫に目もくれず俺達を睨む。 「....平凡がっ!!離れろっ!!」 そして会長様は怒りながら俺に掴みかかってきた。 なんで怒ってるのぉぉ!!?? 「何してるの?」 俺の胸ぐらを掴む会長様の手を藤馬が止める。 ああっ!!本当に神様すぎるっ!!
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