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「やぁっ、しょーごっ!ソコ、ダメぇっ」
「りおん、イクぞ...」
肌と肌がぶつかる音に喘ぎ声、
これで10回目だし何の音かなんて考える必要もない。
「はあ、もうどーでもいいや。」
今日で幼なじみの尚吾は興味の範疇外に落ちた。
もはや、付き合っていたことも幼なじみだということもどうでもいい。
尚吾に呼び出されて来たけれども、もう来ることもないだろう。だから、寮のカードキーは置いていこう。
「お腹空いた。」
食べることも面倒だと思うがこればかりは仕方ない。売店で適当にパンを買って中庭に出た。
誰かに出会うことも喋ることも面倒だから、誰もいないところがいい。
大きな桜の木、今では緑の葉で覆われているが幹は陰り根には日が当たる。
あそこでいいや。
もそもそとパンを口に入れて飲み込む作業。
「にゃ~!」
先ほどから太ももに猫パンチを受けている。
俺のパンを狙っているようだ。
「コレ、チョコだからダメ」
「フーッ!!」
激おこだ。猫パンチよけの手のひらは噛まれた。
しょうがないからホットドッグのウインナーをちぎってあげた。
まっしろでふわふわ、首輪はしていない
ウインナーは半分ほどあげたら満足したらしく
勝手に俺の膝で寝はじめた。
「図々しいやつ....」
まっしろな毛玉を優しく撫でた。
あたたかい。
何だかウトウトしてきた。
それから少し時間がたったのだろう。
少し乱暴な声と揺すりで起こされた。
「オイ、お前いま授業中だぞ?ここで何している」
まっくろそれが最初の印象。
でも知らない。俺の興味内はすごく小さいから。
「まっしろ、毛玉と寝てた。アンタだれ?」
「お前、俺のこと知らないのか?」
まっくろな目が見開かれる。
まっくろな髪が片方耳にかけられているのはキレイだと思う。
「興味ない、どうでもいい。
.........毛玉いないなら帰る。」
そして俺はその人を置いて寮に帰った。
その人は俺がいなくなってからすごく笑っていたのなんて気付かずに。
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