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僕はシンデレラ!
街の小さな飯屋のいち料理人で、料理を研究することに目がないんだ。
そんな俺はある城から出回っているお触れ紙に
わなないていた。
「な、食事会と...舞踏会だと...」
この国の王子様の相手を選ぶためにパーティーが開かれるとつづられる紙を目ん玉かっ開いて
見ていた。
正直、王子様にも舞踏会にも興味は毛ほどもないが
お城の料理を食べてみたい...!!
だけども招かれている対照は街の女性だ....。
「お城の...料理、いーなー!!食べてみたい!!」
街の雑多なものよりも気品あり、慎ましやかな味を想像してうだうだと喚く。
「うるっせぇぞ!シン!!手ぇ動かせや!!」
丸めた台拭きでスパーンっと殴られた。
この飯屋の主人だ。
「だってぇー!おやっさん!!お城の料理ですよ!?食べてみたいじゃないですかー!!」
言われた通りに仕込みの手をすすめながら
俺の思いを語る。
「おやっさん言うんじゃねぇ!ヤクザくせぇだろうが!!ボケぇ!城の料理なんて俺らに合うわけねぇだろうが!!」
角刈りでひとを殺してそうな目付きをしておいてこんなピッタリのはないと思うんだけど。
怒りながら包丁をこちらに向けるおやっさんはほんとにドンと呼ばれるにふさわしい。
「ぶー!!じゃあ、おやっさんはお城の料理食ったことあるんですかー!?」
「おやっさんじゃねぇ!ダンデさんだろーがぁ!
城の料理は食ったがあんなもん料理じゃねえ!!俺の料理は客のための料理だ。おめぇもキモに命じとけ。」
話は終わりだ!オープンすんぞ!
と、この話は終わり。
お城の料理と、おやっさんの言う客のための料理って何が違うんだろう。
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