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ーside 理事長ー
あの煩いマリモは退学にさせ、裏口入学させた副理事を辞めさせた。
マリモの信者共は各家庭に躾直すことは任せた。
なにせ、有名な財閥の子供だからその辺はキッチリ教育し直してくれるだろう。
「こぉーくん。」
一仕事終えて、やっと恋人との時間をつくれる。
すり寄る遼はネコのように目を細めて嬉しそうだ。
「遼ちゃんは可愛いわね。」
愛しい恋人を膝の上にのせ、その唇にキスした。
「こぉーくん好きぃ。」
えへへ、と照れ笑いする彼。
「アタシもよ。」
うん。と声もなく返事をする。
ああ、なんと可愛いらしいことか。
「あのね、俺、どんなこぉーくんでも好きだよ。
イケメンじゃなくても、キリッとしてても
こぉーくんはこぉーくんだもん。」
柔らかく笑う恋人は、きっとマリモの言葉を気にしてくれたのだろう。
今まで散々言われ慣れてきたコトバだ。
オネェであることに自信があったとしても、傷つかないわけではない。
「ありがとうね、遼ちゃん...」
どんな私でも好きでいてくれる彼が、言葉が、
どんなに救いであるのだろうか。
「んぅー、お仕事モードカッコいいけど
こぉーくんが女性らしい言葉使わなくなったら
寂しいからなぁ。こぉーくんはそのままがいいなぁ。」
ああ、クソっ。
私の喜ぶままに、素直なその気持ちがとても愛しい。
「嬉しいことを言ってくれるダーリンだ。」
愛しくつむぐその唇を奪い、激しく絡ませた。
嬉しい興奮に、今夜は可愛いがっちゃうからね!うふふ!
おしまい。
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