終末にて -2-

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7月23日 彼と喧嘩をした。理由はほんの、意見の食い違いなのに、お互いにムキになって、それから口も聞いていない。 彼の部屋を飛び出して、5時間。今は私の家にいる。メールはもちろんない。 「どっちもどっちって感じだね」 姉が言う。私は長ソファに寝そべり、クッションに顔を埋める。 「そんなこと……わかってるよ」 ああ、わかっている。でも、許せなかった。 意見の食い違いなら、誰にでもあることだ。それは人が人である限り、起こり得ることだ。しかし、私の彼は、その口喧嘩の最中、なんて言ったと思う? 『そんなんだからお前は、ウンヌンカンヌン(この先は、よく覚えていない……。)』って言ったんだ。 私のこれまでの人生を否定されたようで、つらかった。 最初はたったの意見の食い違いである。それなのに、あいつ、私の人格にまで攻撃してきた! くそ! くそ! 今思い出してもムカムカする。 『優しいところが好き』だとか、『笑った顔、可愛いね』とか、今まで私のこと、褒めてくれてたじゃん! くそぅ。もう嫌だ。あっちから謝ってくるまで許してやるもんか。
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