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都立春和高校の校庭の一角に、一際大きな桜の木がある。
桜の木の下で愛を誓い合うと幸せになれるという話はよく聞くだろう。
だが、その桜の木は違った。
その下で、憎い相手を殺すことを誓うと、それがかなった時、富や名声がもれなくついてくるという、いわく付きの木なのだ。
そして、桜はその犠牲を糧にさらに成長し、咲き誇る花は血の色が混ざるようにより紅くなるという。
ただしそれには制約があり、一週間以内に標的を殺せなければ、憎い相手ともども、殺しを誓った人間も命を落とすという。
春和高校2年A組三沢大地(みさわだいち)は、その噂に賭けることにし、桜の木の下にたつ。
そして大地は、親友だと思っていた、今は恋敵である五島空人(ごしまそらと)を殺すことを誓う。
空人は、大地が同級生の美里(みさと)を好きなことを知りながら、よく彼女といちゃついていた。
大地が美里にそれとなく聞いてみると、どうやら両想いのようだった。
大地はそれまで空人に対して抱いていた一切の正の感情を捨てた。
そして、桜の木の下で空人を殺すことを誓う成り行きとなったのだった。
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