罪は咲き誇り、散り急ぐ。

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気を失っていた大地が目を覚ますと、その身は変わらず保健室のベッドの上にあった。 その傍らには、空人の姿があった。 「目、覚めたか。もう放課後だ。帰れそうか」 「ああ…」 大地が窓から桜の木をみやると、それは真っ二つに割れて倒れていた。 「ああ、あれか。雷が落ちてな。俺、その時近くにいたんだけど、何事もなくすんだんだ。呪われたいわれがある木だ、なくなってくれた方がいい」 「美里ちゃんも無事なのか?」 「みさと?誰、それ?」 「誰それって、あの桜の木の下でお前が会話していた同級生の美里ちゃんだよ」 「お前大丈夫か?桜の木のそばには俺一人でいた。あの木の下は、考えごとをするのにちょうどよくてな。それに、美里なんて同級生はいないはずだ。誰の事を言っているんだ?」
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