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ぼんやりとした思い出しかないけれど
確かに私の大切な人で
知っていることは
人から聞いた話がほとんどだけれど
胸を張って自慢できる私のお母さん。
自慢の娘だと言われるよう
私はもう大丈夫だと安心してもらえるよう
私は桜の木に向かって満面の笑みを向けた。
そっと隣の父を見ると
私と同じ方を向いてはいたが
その表情に父親としての威厳はなかった。
笑いを耐えながら
父を促して再び扉に向かい合う。
私たちはもう
うつむいてなんていられない。
大きく開かれた扉を
晴れやかな気持ちで私は通る。
その先で待っている
愛する人と幸せになることを確信して。
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