質量保存の法則 マキのあやまち

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 このホームの患者の中で悪名高い荒井義男が忍のスカートをめくり パンツの中に手を突っ込んだのだ。  男性患者の中では若いスタッフに興味を示して体を触るなどセクハラまがいの事は そう珍しくはない、スタッフも慣れたもので適当にあしらってる。  しかし今回は重大だった。びっくりした忍は走ってみつばに泣き付いた。 「わかった、私が荒井を張り倒してやるから」 闘志満々で懸け付けたみつばだが、すでに数人のスタッフに取り囲まれていた。 「俺は何も知らん、前立腺の検査をしてほしいと頼んだだけだ」 とうそぶいていた。 「やってくれないなら他の所に移ってもいいんだぞ」  こう言われると仕方がない、荒井もかなりの財産を持ったお客様なのだ。 「こんどやったらあんた張り倒すからね」  スタッフがいなくなった後みつばが荒井の耳元で囁いた。 「分かったよみつばちゃん、あんたにはかなわないよ、約束する」  照れ臭そうに答える荒井だった。  
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