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早速みつばはネットで保健所を始め関連機関に連絡を取ったが、
情報は得られなかった。
荒井の容態は急速に悪くなった。病気を宣告されたショックで生気がなくなった。
意識するのと無意識ではこうも違うものなのか、病気も着実に進行していた。
みつばは思い付いて欽二を散歩に誘った。
みつばの歩く方向から欽二も理解した。ホームレスのたまり場だった。
生ゴミのむせ返るような悪臭も二人はそんなに気にならなかった。
暫く歩いてコンクリートにもたれて眠っている知り合いを見付けた。
「福田さん、久し振りです、元気にしてましたか?」
名前を呼ばれて目を開けた男は、ああ、欽ちゃんかと答えた。
一緒にいるみつばを見て驚いた。
「みつば? え、お前どうしたんだこんな綺麗になっちまって」
みつばは福田の手を取って今はまじめに働いているんだと答えた。
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