質量保存の法則 マキのあやまち

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 次の日から民子は懸命に空き缶やダンボールを集めて稼いだ。  相棒の食糧も確保してやらなければならない、体高約80センチ、 体重は70キロ以上だろう、食欲は半端なかった。  民子と犬が食事をしているところを偶然福田が通りかかった。 「あれっ、民さん犬と、あーっつ! その犬もしかして!」 みつばと欽二の依頼なんかすっかり忘れていた福田は思い出した。 「実は民さん、俺その犬探してたんだ」 警戒する民子の不安を取り除くように福田は説明した。 「へえ、みつばちゃんと欽ちゃんいなくなったと思ったら 抜け出したんだねここから、えらいね仕事もして」 かつての同類が脱出して一般人になった事を民子も喜んだ。  じゃ、二人に電話するからと民子に断ってみつばに電話を掛けた。  しばらくしてみつばと欽二がやって来た。
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