質量保存の法則 マキのあやまち

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 強欲な荒井は愛犬と称しマスチフを買い、小さい頃にダイヤを 犬の首筋に埋め込んだのだ、マスチフは皮膚がたるんでしわしわになるので 埋め込んだダイヤも目立たない。 「とにかく、ゲンが助かってよかった、ここで暮らしてもいいよ」 ゲンの頭を撫でるみつばだった。  荒井は突き飛ばされて床に倒れたショックで完全に身体が動かなくなって 植物状態になってしまった。言語にも障害が残った。 「結局、荒井は植物状態になったから謝礼金はなしね、でもいいわ、 ゲンがここに来たし、福田さんと民さんの謝礼金は魔法の鞄からだしましょ」 嬉しそうにみつばが言った。 「いいのかいこんな大金、もしかしてあんたら悪い事して得た金じゃあ・・・」 「ちがうよ、絶対ちがう、それだけは信用してよ、 二人の再出発のために有効に使って」 欽二が説明した。
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