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「容疑者を割り出すための根拠が残る二つのヒントにあるということになる。結論から先に言った方が良いな。犯人はワギャンだ!」
「まさかのバカミス展開!?」
「ちげぇよ、アホ! ワギャンと同じ性質を持つ人間が犯人ですよという意味での犯人はワギャンだ」
「分かるわけないだろ、おたんこなす」
「お? 言うようになったな。解決篇なんて教えてやらなくても良いんだぜ?」
余裕の表情で上杉はニヤニヤしている。これを言われると僕の立場は弱い。
「すみません、口が滑りました。黙って聞きますから許してください」
僕はペコリと頭を下げた。
「よろしい、面を上げよ」
とんだ茶番だ。
付け加えておくと、彼が解決篇を開示しないなんてことはあり得ない。そうすると、僕が彼の家に来ることはなくなる。ゲーム仲間の喪失は、奴にとっての痛手だ。もっと言うと、僕が上杉の家に来なくなるなんてこともあり得ないんだけどね。彼の喪失は僕にとっても痛手なのだ。
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