第 2 章  出会い

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でも、私を待っているのではなさそうだ。 待ってるはずなど、あるわけないか……。 彼はスマホを耳に当てていた。 当てながら、その場を大股で離れて行く。 目で追うと、入口近くの場所に移動して行った。 カウンターで必要な書類を受け取り、バッグに仕舞った。 何気なく入口の方を見る。 けれども、誰も立っていなかった。 私ったら何を考えたのよ? 心の中で苦笑いをした。 そんなことがあった翌週。 また、その人を役所で見かけた。 驚いたことに向こうから声を掛けてきた。 「こんにちは」  
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