第 2 章  出会い

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彼は待ち合いの椅子に腰を下ろした。 一人分の間をおいた私の隣に。 「こ、こんにち……は」 前回の聞き間違いが恥ずかしくて、口ごもってしまう。 でも、向こうから話しかけられて嬉しくなった。 「似てますよね」 彼は持ってる封筒を掲げてみせた。 社名が入った茶封筒。 「この前はすみませんでした」 それしか言えない。 「いいえ、ちっとも」 物静かな風貌に好感を抱いた。 この日の会話は……会話とは言えないけど……これでおしまい。 
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