27人が本棚に入れています
本棚に追加
彼は私のすぐ隣に腰を下ろした。
温厚そうな笑顔に惹かれていることを自覚した。
「お忙しそうですね?」
私が言うと、彼は怪訝な顔になった。
「しばらくお見かけしなかったので」
自分の説明が急に気恥ずかしくなった。
「ああ、そういう意味」
そこに私の呼び出しがあり、カウンターへ書類を取りに行く。
彼がまだそこに座っているかが気がかりで、振り返った。
彼はスマホを見ていた。
受け取った書類をバッグに仕舞いながら、再度彼の方を見る。
いてくれることを期待して。
彼は立ち上がろうとしていた。
ここはどうしたらいい?
最初のコメントを投稿しよう!