第 2 章  出会い

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彼は私のすぐ隣に腰を下ろした。 温厚そうな笑顔に惹かれていることを自覚した。 「お忙しそうですね?」  私が言うと、彼は怪訝な顔になった。 「しばらくお見かけしなかったので」 自分の説明が急に気恥ずかしくなった。 「ああ、そういう意味」 そこに私の呼び出しがあり、カウンターへ書類を取りに行く。 彼がまだそこに座っているかが気がかりで、振り返った。 彼はスマホを見ていた。 受け取った書類をバッグに仕舞いながら、再度彼の方を見る。 いてくれることを期待して。 彼は立ち上がろうとしていた。 ここはどうしたらいい? 
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