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彼のいる方に戻る?
それって変じゃない?
『待っててね』と私が言ったわけじゃないし、ましてや彼が『待ってるよ』と言ったのでもない。
すると、立ち上がった彼が数歩入口に向かって歩き出した。
そして、さも約束したように少しだけこちらに上体を向けた。
私をジッと見つめて。
私を待ってるの?
この展開って?
ドキドキしながらそこまで行って、彼と並んだ。
「同じ方面ですよね?」
弾んだ声で訊く。
「え?」
「歩きですよね?」
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