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たった一回、一緒に歩いただけだもの。
ああ!
こちらを見てる。
彼も完全に気付いた?
どうしよう?
そっぽを向こうかしら?
気付かない振りは、もう遅いわね。
でも、何て言う?
会釈くらいしようかしら?
鼓動が速くなってきた。
頭の中で第一声を準備し始めた。
『こんにちは。お花見日和ですね。それでは、又』
『又』?
いいえ、『又』は不味いでしょう。
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