第 3 章  桜堤で   

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たった一回、一緒に歩いただけだもの。 ああ! こちらを見てる。 彼も完全に気付いた? どうしよう? そっぽを向こうかしら? 気付かない振りは、もう遅いわね。 でも、何て言う? 会釈くらいしようかしら? 鼓動が速くなってきた。 頭の中で第一声を準備し始めた。 『こんにちは。お花見日和ですね。それでは、又』 『又』? いいえ、『又』は不味いでしょう。  
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