第 1 章  道草

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そちらの遊歩道を歩く人たちが小さく見えた。 遊歩道より更に低いもっと川岸の近くに、川に平行して細い道が続いてる。 そこも散歩道としては良さそうだけど、今のこの時期は桜の木が並ぶ遊歩道の方が絶対良いでしょう。 薄ピンク色の花が咲く桜並木の下をそぞろ歩きする方が。    桜の木が等間隔で続く遊歩道の先を遠目に見る。 緩やかに湾曲する道は桜の花色に包まれ、遊歩道全体がピンク色に染まって見えた。 満開になるともっと華やいで素敵なはず。 夜のライトアップがあるなら、幻想的な空間になるわね。 想像するだけで、自然と笑みがこぼれた。 また歩き始めて、気付く。 川岸の道のずうーっと向こうから歩いてくる人がいる。
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