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「それ綺麗な花だね、桜の次に好きな花なの、貰っちゃおうかな」
「本当か?」
「怪しい事したりしたら大声出すからね!」
「そっそんなことするわけないだろっ」
「ありがとう」
少女へ即席の花束を渡した時、少しだけ触れた手は少し冷たくて、でもただそれだけのことなのに、私の心臓がありえないくらいの鼓動を打つ。
何だもう! 落ち着け!
そうして私はすぐに背中を向け、少女から走って逃げた。
受け取ってくれた時の顔が、脳裏に焼き付いて離れない。
とても柔らかくて可愛くて、愛に溢れたような優しい笑顔だった。
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