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「しかし……都会の人が魔法を信じていないというのは本当なんですね」
父親が言うとレンが目を丸くした。
「魔法使いを信じない?」
シャンが問う。
「ああ。さっきも私が魔法使いだと名乗った途端に馬鹿にしたような態度を取ってきたからな。
それから『俺たちが代わってやる』と言って押し入ってきたんだ」
「代わってやる? じゃあそいつらは患者の病気を治そうとしたってこと?」
シャンが尋ねる。
「分からん。患者に飲ませたのは薬かもしれない。あるいは……」
父親が俯いた。
シャンは背中に汗がじわりと滲むのを感じた。
「……とにかく、様子を見るしかないね」
とシャン。
「しかしいけ好かない奴らだな」
隣でレンが歯噛みする。
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