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晴天の下、周りを見回す少女の脇に、半透明なピンク色の100円ライターと、白い煙草の箱が転がっている。
「お! あったじゃん」
すかさず煙草の箱を拾い、箱の中を見る。
「やべえ・・・昨日吸いすぎたな。
もうすぐヤニ切れるべや」
箱の中には、煙草が僅か2本しか入っていなかった。
「どっち先に吸おうかな」
当然、箱に入った2本の銘柄は全く同じだが、少女には何故か拘りがあった。
「左でいっか」
箱の中で、たまたま左側にあった煙草を1本引き抜き、口にくわえて火を点ける。
口一杯にメンソールを含み、熱い煙の味を堪能する少女。
パーカーのフードを被り直し、雲ひとつ無い空に煙を吐いた。
まるで雲の様に煙が宙に浮かぶ。
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