僕は彼女を受け入れる

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   その日から、渚は俺の家に入り浸るようになった。  渚は看護系の専門学校の3年生で、大学2年生の俺より1つ上の21歳だと知った。情緒不安定で行動が幼いからとても年上には思えないけど、時々見せる寂しい瞳やふとした仕草には哀愁を感じて、年齢よりも上に感じることもあった。  渚は朝から俺の部屋に来てお互いの学校の時間まで一緒に過ごし、夕方もバイトや友達付き合いが終わったら俺の部屋に来ていた。そして、風呂と寝るためだけに自分の部屋へ帰る。  渚はくるくると機嫌が変わるわ、考えなしに何かを思い立ってすぐに行動するわで、危なっかしい面を持っているし、俺はいつも振り回されてばかりになった。情緒も安定していないし、俺はいつも渚の心配をしているような気がしていたけど、手のかかる猫を飼っていると思えば可愛いもんだ、なんて思い始めていて、自分でも意外なほどこの渚に振り回される生活を受け入れてきていた。  今日も「飲んで友達と別れたら、変な男たちに絡まれた。1人で帰れない。迎えに来て」と携帯に連絡が入って、慌てて車を出して迎えに行った。 「進藤君は人がいいよねぇ」  酔っぱらって上手く回らない口調で、渚が助手席から俺の顔を覗き込んだ。人がいいと言うより押しに弱いだけかもしれないな、なんて思うと情けなく感じるけど、俺は意外と渚との生活が楽しくて満足していたからケラケラと笑って渚を見た。 「寛容って言えよ」 「そうだねぇ。友達にね、今の彼氏は優しいんだって自慢しているんだぁ」  そう言って俺の左腕にじゃれついてくる渚は可愛いと感じた。 「でも、私たちって本当には付き合っているって言えないよね。私が脅して付き合わせているんだもん」
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