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早朝。
数台のパトカーがサイレンを鳴らしている音で目が覚めた。
ただでさえ山で囲まれた静かな街。
始発電車の音ですらよく響くのだから、けたたましい音がいくつも同時に発せられれば、それこそ街中に響き渡る。
カーテンを閉めているので、外の様子は分からない。
枕元に置いておいたスマホで時刻を確認すると、まだ5時前。
《こんな時間に……何が起きたんだ?》
眠い目を擦りながら上半身を起こすと、自分と同じように騒々しい警告音によって起こされたらしい両親の話し声が聞こえた。
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