第一話 モブの人生の方が平和である

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 何が悪かったのか  いつものように起きて、いつものように学校に行き、いつものように授業を受け、いつものように帰っていたはずだった。  私は痛くなりはじめた頭を押さえた。なぜ、頭が痛くなったかって?非常に簡単なこと。  目の先に誰かが倒れているからだ。しかも怪しい恰好の誰かが  もっと前に見ていれば私は避ける。だが、この誰かさんは曲がり角に倒れていたので曲がったときに気付いたのだ。  しかも黒いぶかぶかのフードの服に黒いぶかぶかのズボンといった服装であればさらに近寄りたくない。どっかの宗教の人間じゃないのかと疑ってしまうような服装である。  見てしまったからにはどうにかしないといけないでだろう。放置したところを誰かに見られたら後々面倒だ。  とにかく、救急車でも呼ぼうか、そう考えついて携帯電話を出す。  こんな非日常さっさと終わらせてしまいたい。  とりあえず意識があるかどうかだけでも確認しとこう。そう思ってしゃがんで男を軽く揺さぶった。  「・・・ぅぅ」  意識はあるようだ、今は5月だし熱中症になる時期でもないんだけどな。  立ち上がって携帯で救急車を呼ぼうとした。  けど、その携帯は救急車を呼ぶことはなかった。  起き上がった誰かが携帯を取り上げたからだ。  「あ・・」  「ネェ、キミ」 ―主人公にならない?― そういった誰かに対して私は「はぁ?」と返したのである。
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