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「竜のタマゴさ」
「これ竜のタマゴなんだ。初めて見た」
少女は竜のタマゴに目を見開いきました。
「ねぇ、触ってみていい?」
「いいよ」
少年は座ったまま少女に竜のタマゴを渡しました。
「温かいのね」
「竜は魔法を持っているから」
少女は竜のタマゴを抱いて、嬉しそうにしていました。
「この竜のタマゴはどうしたの?」
少女の質問に少年は困りました。盗んできたと何故か少女の前で正直に言えません。
「ええと……」
少年は嘘を考えました。その時です。気圧に突入したスワローシップの船体が大きく揺れます。
「あ」
少女が抱いた竜のタマゴが廊下に落ちて転がりました。
「おいおい!」
少女は竜のタマゴを追いかけます。少年も慌てて竜のタマゴを追いかけました。竜のタマゴはカーゴシップの船尾を抜けて、空が剥き出しの甲板に転がっていきます。
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