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不思議と少年もおかしくなって、少女と顔を見合わせて笑い合いました。
そんなことがあり、少年と少女は出会ってから、短い時間しか経っていませんが、すっかり仲良くなりました。
客席で並びながら少年と少女はおしゃべりをしていました。
「あ、ごめんなさい」
少女はいきなり謝ります。
「名乗ってなかなった。わたしの名前はサヤ」
少年もまだお互いに名前を知らなかった気づきました。
「オレはウィル。村の人たちや友達はネズミ頭のウィルって呼ぶよ」
ウィルの髪の色は銀髪でした。母親の髪も銀髪で、色が同じなのです。
「まぁ、ネズミなんてひどいわね」
「オレは気に入っているよ」
ウィルは亡くなった母親と同じ髪の色を繋がりと思っていました。大事な思いでです。ツンツンの髪をわざと引っ張って少女の前でおどけてみました。ウィルはとても活発そうな顔つきをしています。銀髪が跳ねた頭に、左頬に十字の傷があり肌の色は小麦色でした。左頬の十字の傷は、小さい頃に友達と短剣で戦いごっこをしていたときについたものです。とても元気な少年なのです。
「サヤはどうしてスワローシップに乗ったの?」
「旅をしてるの」
サヤは少し寂しそうに言いました。
「旅?」
ウィルは驚きました。自分とたいして年がかわらない少女が旅をしているのです。
「誰と旅をしているの?」
ウィルは聞きました。
「一人……」
サヤの言葉にウィルは驚きます。
少し話を聞きました。年は自分と同じ14才です。そんな女の子が一人で旅をしているのです。冒険者に憧れているウィルは、サヤにとても興味を持ちました。
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